一部の目覚まし時計には部屋の湿度をデジタル表示する機能を備えていて、一目で湿度を知ることができます。製造現場や医療現場などでは厳格に湿度を管理することが求められているので、高精度な湿度計が用いられます。湿度とは空気中に含まれる水分量の割合で、湿度計センサーを使用すれば測定した水分量を電気的な信号の形で取り出すことができます。湿度計センサーにはいくつかの種類がありますが、身近な家電製品や精密測定が求められる機器で多く用いられているのは静電容量式の素子(電子部品)です。

静電容量式センサーの内部は、空気中の水分を吸収すると膨潤して体積が大きくなる高分子感湿膜(フイルム)を2枚の電極で挟んだ構造になっています。高分子フィルムを挟んでいる2枚の電極は絶縁されているので、平板コンデンサーとして機能します。高分子フィルムが空気中の水分を吸収するとフィルムの厚みが増えるので2枚の電極間の距離が大きくなりますが、極板間の距離に反比例してコンデンサーの静電容量が減少します。コンデンサーの静電容量から高分子フィルムの厚みを測定することができるので、空気中の水分量(湿度)の値が得られる仕組みになっています。

コンデンサーの静電容量は瞬時に測定をすることができるので、応答性が高いという特徴があります。湿度が20%以下の乾燥した環境でも正確な測定が可能なので、静電容量式のセンサーは多くの機器に使用されています。

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