東京都民の台所を満たす中央卸売市場と言えば、誰もが知る「豊洲市場」を指しますが、東京都ではこの他に10市場もの中央卸売市場を運営しています。日本の首都であるとともに、その膨大な人口の「食」を満たすためには、ひとつやふたつの市場では生鮮食料品の供給が追い付かないのが実態と言えます。産地から出荷された青果・鮮魚は、主に冷蔵車によって市場内に搬入され、卸売場へと出荷されます。ここから先は、市場内がすべてコールドチェーン化され、厳密なまでの温度管理が施されているのです。

この温度管理によって、野菜や果物・お魚などはそのみずみずしさを損なうことなくセリにかけられ、東京都を中心とした近郊地へ出荷されていくという流れをとっています。このコールドチェーンというシステムが担う温度管理を実践できている中央卸売市場は、日本でも数えるほどしかありません。それほど高額な投資を必要とするだけでなく、年間の維持費も相当高額に上ります。建物の中をすべて冷蔵庫のような状態に365日24時間保つわけですから、それほど生易しいものでないことは容易に想像できます。

しかし、このような最適な温度管理が行われているからこそ、私たちは新鮮で美味しい食べ物を毎日食卓に並べることが可能となるのです。温度管理を行うのはすべて施設管理者と、そこから委託を受けたビル管理者たち。人が寝ている間に市場は活況を呈し、昼間にはもはやもぬけの殻です。その間隙をぬって、施設管理者とビル管理者たちは、絶えず温度の管理に不調をきたさないよう、万全のメンテナンスを行っています。

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